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珈琲夜船

皿にこぼれ落ちた黒を飲み干せ 祈るよりも歌え
その波に飲み込まれ 深い底に沈む前に

菅原敏、待望の第4作は珈琲を片手に、見知らぬ夜の旅に出る“小舟”としての詩集。



コーヒーの葉を思わせるグリーンの装丁をひらき、頁をめくれば、漆黒の海を一艘の船が漕ぎ出し、どこか懐かしい情景が浮かぶ。詩集には、2019年にフランスのナダール賞を受賞した写真家・かじおかみほによる、遠い記憶の断片のような白黒写真が挟み込まれる。《タンザニア》《コロンビア》などの珈琲豆の産地を冠した詩、スターバックスWEB連載「A Cup of Poem」からの詩ほか、全31編を収録。あとがきには文芸誌『群像』にて発表されたエッセイに加筆修正した「珊瑚と珈琲」を掲載。

※前作『季節を脱いで ふたりは潜る』をご購入いただいた方は、読者特典〔電話朗読室〕にて『珈琲夜船』の中からも詩を一編お選びいただけます。2冊あわせてお楽しみください。
菅原敏
価格
¥2200(本体¥2000+税)
仕様
上製、B6変形、100p、1+4C
ISBN
978-4-8441-3809-9
この本もオススメ!

季節を脱いでふたりは潜る

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また猫と 猫の挽歌集

猫であく穴は猫でも埋まらないけど猫だけが入れるかたち


多くの猫を愛し見送ってきた猫歌人・仁尾智と、
多くの“猫飼い”の声を聴いてきた猫本専門店オーナー
キャッツミャウブックス店主・安村正也が贈る
猫の挽歌集

【著者・仁尾智 あとがき】

 生きていくことの傍ら、猫を保護したり、保護した猫の里親さんを探したり、ときには子猫の一時預かりのボランティアをしたり、という活動をほそぼそとやってきた。もう四半世紀近くそんなことをしているので、その間、たくさんの猫を看取ってきてしまった。
 猫を看取るときには、たくさん短歌がうまれる。気持ちが、これ以上になく動くからだと思う。そして、「短歌にする」という行為には、効能があると思っている。
 大好きな猫が日に日に衰えていくときや、いなくなってしまったときの吐くような悲しみは、そのたびに短歌にしてきた。「短歌にしてきた」と書くと自発的行為のようだけれど、実際には、悲しみから身を守るように「短歌ができてしまう」というほうが正しい。
 悲しみが短歌の形になると、少しだけ自分の中から外に出せたような気持ちになる。逃れがたい渦の中から、一瞬頭を上げて息つぎができる。短歌にする過程やできあがった短歌を目にすることで、自分に起こっている事態を客観視できるのだと思う。つまり、この本に収録されている短歌は「自分が楽になるために書いた短歌」なのだ。たくさんの猫を看取って、そのような短歌が歌集になるくらいたまってしまった。全部僕が僕のために書いた短歌なので、嘘のない歌集にはなっていると思う。
 ……が、その反面、歌集としてまとめるに当たっては、大いに迷った。「そんな自分が救われるための作品で歌集を?」というわずかながらにあった歌人としての矜持とのせめぎあい。「猫を、しかも猫の『死』を利用していることにならないか」という罪悪感。「猫の挽歌集は、誰かの役に立つかも知れない」という気持ちと「役に立つってなに? 短歌はそんなものじゃないのでは?」という気持ち。また「我が家のように何匹もの猫を看取る悲しみと、例えば幼少期から二十年間一緒にいた一匹の猫を看取る悲しみが同じであるわけがない。悲しみなど共有できないのだから、何かをわかったような顔で本なんて出すべきではないのでは?」という葛藤。
 そう、悲しみは共有できないのだ。それぞれが、まったく別の悲しみを抱いている。
 ただ、「命」を前にしたときの右往左往や詮無い気持ちはみんな同じなのだ、とも思う。「もっと早く気づいてあげられていれば」とか「最後の瞬間に一緒にいてあげられなかった」とか、そうした自責の念や後悔も、多かれ少なかれみんなが抱いている。そして、そういう「同じ気持ち」のほうを共有できる機会は、意外と少ない。もしかして、余白の多い「短歌」という形であれば、その機会になり得るのではないか。
 最終的には「誰かの役に立つ、というより、回り回って猫のためになるのでは?」という考えに至って、踏ん切りがついた。
 この本を読んだ誰かが、少し前を向けて、また猫と暮らし始めてくれたりしたら、この本を作った甲斐どころか、僕が存在した甲斐があったとまで思える。
 最後に。
 僕の迷いをまるごと引き受けてこの本を世に出してくれたキャッツミャウブックスさんと雷鳥社さん、装丁を引き受けてくれた仁木順平さんには感謝しかない。本当にありがとうございました。




【編者・安村正也 あとがき】

「うちから何か本を出しませんか?」
 たぶん世界初の猫歌人を名乗る仁尾智さんに、どこかに必ず猫が出てくる本だけを置いている猫本専門店オーナーの私が持ちかけたのは二〇二二年の暮れのこと。
「猫の挽歌集を出したいんですよね」
 彼が即答した挽歌集とは、つまり猫の死を悼む短歌だけを集めた歌集ということだ。あまりポピュラーなテーマではないので、猫本専門店から発信すれば、読んでほしい層に届きやすいのではないかということらしい。
 猫を飼う人はますます増えているが、通常は猫の寿命の方が短く、飼い主は愛猫に先立たれることになる。一方で、猫の長寿化に伴い、死別に関する猫本のテーマも、かつて主流だった【ペットロス】から、近年では【終活】【介護】【看取り】などに特化・分化してきている。とは言え、それらの書籍からは猫の一生における個々の場面でやるべきことや心構えは学べるものの、亡くした後の「誰にも言えないし、言いたくない、でも誰かに分かってほしい」という複雑な心情を代弁してくれる本はなかなか見つからない。そんな声を当店に来られるお客様からも耳にしていた。
 猫と暮らしている方であれば、愛猫の闘病中はもちろん、元気な時でさえ、猫の看取り話を聞いたり読んだりするのは辛いはずだ。その反面、看取りの前後でそうした話に触れると、「みんな同じなんだな」と少しだけ気持ちが楽になることもある。
 かくいう私も、二〇二三年の春に二名の店員猫を相次いで亡くしたのだが、その直後から、ずっと読めなかった猫の終活や看取りのエピソードを号泣しながら読み始めた。そのなかで特に、この歌集にも収められている一首に救われ、結果的に、里親として新たに二名の保護猫を迎え入れることになった。
「挽歌集、ぜひ出しましょう!」
 猫歌人の構想に私も即答した。看取りの状況もその前後に抱く感情も人それぞれなので、他者が分かったような振りをすることはおこがましいと感じている。逆を言えば、他者から分かったように振舞われたくないとも思っている。二〇一七年に猫本専門店をオープンして以来のつきあいである彼も、同じ感性を持っていると信じていたので、迷うことは何もなかったのである。
 これをあとがきに書く私もどうかと思うが、この猫の挽歌集は、今すぐには読めなくても、読めると思えるまで、常備薬のように本棚に並べておいていただくだけで構わないような気がしている。ただ、「本当はまた猫を飼いたいのに、しんどいのでもう飼えない」という思い込みをお持ちだったら、お読みになった後にそれを拭い去って、里親を待っている保護猫に手を差し伸べるきっかけにしていただけると嬉しい。
 本書は、当初キャッツミャウブックスの刊行物として出すつもりだったが、猫歌人と猫本専門店の想いに共感してくださった雷鳥社さんから出版されることになった。それによって、より広く、より多くの方々のお手元に届くことを強く願う。そして、みなさんが心に同じことばを思い浮かべることを。
「また猫と」

仁尾智
編集
安村正也(キャッツミャウブックス)
価格
¥1980(本体¥1800+税)
仕様
四六判変形
ISBN
978-4-8441-3804-4

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フランス語聖書なぞるだけ

何度も読み返したい、心に染み入る聖書のことば。
聖句をなぞると、気分が晴れる、単語のスペルが覚えられる。

40代半ばで聖書と出逢い、感銘を受けた聖句を6か国語で書き写している著者の外国語学習習慣をドリルにしました。

聖書には、読むたびに心が洗われるような教訓や、辛いことや哀しいことを乗り越える糧になるような言葉が、数多く含まれています。
そんな聖句を日本語で読み、外国語で書き写すことで、教訓が胸に刻まれやすくなり、単語のスペルを正確に覚えることができます。手を動かして外国語を書く機会はあまり多くないからこそ、日本語を書くときよりも集中し、気持ちも落ち着きます。

本書では、普段の考え方や生き方を振り返るきっかけとなるような選りすぐりの聖句50句を紹介します。日常生活で大切にしたい心がけ「おおらかな心を持つ」「ひと呼吸おく」「姿勢を正す」「地に足をつける」「欲を手放す」をテーマにした全5章立てです。各章末には、はじめて聖書に触れる方のため「聖書の基礎知識@〜D」を用意しました。

外国語学習者、特に初級・中級者向けに、単語の具体的な使い方やニュアンスの違い、まとめて覚えると効果的な類義語などを、ワンポイントアドバイスとして解説しています。初心者の方でも、知っていて損はない内容です。上級者の方は、自身の知識の確認にお使いください。

開きのよいPUR製本のため、ストレスなくなぞり書きができます。


※英語版とフランス語版の違い
紹介する日本語の聖句は、一部分量が異なるものの、同じです。フランス語版では、英語版書き下ろしエッセイを、聖句をもとにした2〜3行のメッセージへと変え、単語を150語多く掲載しています。

宮崎伸治
価格
¥1540(本体¥1400+税)
仕様
B5判/並製(PUR製)/128p/2C
ISBN
978-4-8441-3802-0
この本もオススメ!

聖書英語なぞるだけ 増補版

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聖書英語なぞるだけ 増補版

何度も読み返したい、心に染み入る聖書のことば。
聖句をなぞると、気分が晴れる、単語のスペルが覚えられる。

40代半ばで聖書と出逢い、感銘を受けた聖句を6か国語で書き写している著者の外国語学習習慣をドリルにしました。

聖書には、読むたびに心が洗われるような教訓や、辛いことや哀しいことを乗り越える糧になるような言葉が、数多く含まれています。
そんな聖句を日本語で読み、外国語で書き写すことで、教訓が胸に刻まれやすくなり、単語のスペルを正確に覚えることができます。手を動かして外国語を書く機会はあまり多くないからこそ、日本語を書くときよりも集中し、気持ちも落ち着きます。

本書では、普段の考え方や生き方を振り返るきっかけとなるような選りすぐりの聖句50句を紹介します。日常生活で大切にしたい心がけ「おおらかな心を持つ」「ひと呼吸おく」「姿勢を正す」「地に足をつける」「欲を手放す」をテーマにした全5章立てです。各章末には、はじめて聖書に触れる方のため「聖書の基礎知識@〜D」を用意しました。

外国語学習者、特に初級・中級者向けに、単語の具体的な使い方やニュアンスの違い、まとめて覚えると効果的な類義語などを、ワンポイントアドバイスとして解説しています。初心者の方でも、知っていて損はない内容です。上級者の方は、自身の知識の確認にお使いください。

開きのよいPUR製本のため、ストレスなくなぞり書きができます。


※増補版
『聖書英語なぞるだけ』(百年書房、2022年)の聖句を一部変更し、聖句をもとにした著者の書き下ろしエッセイを加えました。

もくじ

第1章 おおらかな心を持つ
人を裁かない/人の過ちを許す/子供のように素直になる/善を積む/自分ではなく、隣人を喜ばせる/見返りを期待しない/非難を遠ざける/知性と理性を磨く/要らない人はいない/他人を大切にする

第2章 ひと呼吸おく
悪い言葉は使わない/すぐに怒らない/発言に責任を持つ/愚かで無知な議論は避ける/復讐は自分を苦しめる/結婚は自分で判断する/不当な苦しみでも耐え忍ぶ/ふたりだけのときに指摘する/復讐は神に任せる/言葉で人生の舵を取る

第3章 姿勢を正す
褒めてもらうための努力はしない/偽りは自分を苦しめる/試練を喜ぶ/人との関係を築く言葉を使う/世の中が良くなることをする/内面を磨く/人のために行動する/口先だけではなく、実際に行動する/良い心を持つ/人柄の善し悪しは行動に表れる

第4章 地に足をつける
俗に染まらない/身の丈に合った目標を追う/堅実に生きる/自分を偉いと思わない/困難な道を選ぶ/努力を惜しまない/知恵を求め賢明になる/必要なときは助けを求める/仕事に意義を見いだす/勤勉になる

第5章 欲を手放す
物に執着しない/謙虚になる/質素な生活に満足する/誘惑に気をつける/富は人のために使う/本当に頼りになるものを身につける/褒められようとしない/欲に振り回されない/よこしまな考えを捨てる/物惜しみせず分かち合う

聖書の基礎知識@ キリスト教/旧約聖書と新約聖書
聖書の基礎知識A 福音/共観福音書とヨハネによる福音書
聖書の基礎知識B イエス・キリスト
聖書の基礎知識C パウロ
聖書の基礎知識D 古い戒めとイエスの教え

宮崎伸治
価格
¥1540(本体¥1400+税)
仕様
B5判/並製(PUR製)/128p/2C
ISBN
978-4-8441-3801-3
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フランス語聖書なぞるだけ

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「悪魔のささやき」で書く短編小説

エンタメ小説を初めて書く人のためのドリル形式の手引き。

受講生のデビュー多数!
キャリア26年の作家が、創作教室で教えているテクニック。

小説に必要な5つの文法、書き手のイメージを読者に届けるための描写、起承転結のあるストーリーを考えるコツ、ショートショートや短編を作る方法、そして、小説の書き方本ではあまり説明されることのない、文学賞の応募規約の守り方。

ライトノベルを書きたい中高生から、企業小説を書きたい定年退職したシニア世代まで、一度も小説を書いたことがない人でも、「悪魔のささやき」を使った短編を作ることができるようになります。

「悪魔のささやき」とは?
ショートショートの名手・星新一が題材にしていた物語のパターンのひとつ。悪魔の誘惑に乗った人が、結局はひどいめに遭うという、世界中で昔から愛されているお話です。

全五章。
第一章では、文章の基礎である「文法(小説に必要な5つのポイント)」を身につけます。
第二章では、国語の授業では学ばなかった小説の基礎で必須テクニックの「描写と人称と視点」を学びます。
第三章では、小説の筋トレをして基礎体力をつけ、しっかりした起承転結のある「ストーリー」を作ります。
第四章では、テクニックを使って実際に印象的なワンシーンやショートショートや短編を書きます。
第五章では、新人賞・文学賞の選考対象外にならないよう「投稿のルール」を確かめます。

著者プロフィール
キャリア26年の小説家。ジュブナイルポルノ、ライトノベル、時代小説などを書くかたわら、専門学校で小説の書き方を教えたり、奈良で小説教室を開いたりしている。

わかつきひかる
価格
¥1540(本体¥1400+税)
仕様
四六判/並製/192p/2C
ISBN
978-4-8441-3792-4

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やっぱり王道がおもしろい カタを使った物語の生み出しカタ

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あじわう文学レッスン 文字と符合からひも解く小説のしくみ

『やさしい文学レッスン』に続く【文学レッスンシリーズ第2弾】

芥川賞・直木賞受賞作家の人気作品や、誰もが知る近現代文学作品を「ミクロ」と「マクロ」の視点でじっくり読み解く。文章の工夫・作家の意図・場面の演出・語り手の力など様々な切り口で作品を考察し、文学をより味わい深く楽しむための入門書。・ひらがな、漢字、カタカナ、ある場面で選択する文字が作品の印象をガラリと変える?・サスペンスやユーモア、緊張感を演出するムードはどうやって作り出されている?・なぜ私たちは、小説を読むとハラハラドキドキするのか?・意図的に挿入される長文や短文などはどんな効果をもたらすのか? etc...

著者プロフィール
小林真大(こばやし・まさひろ)
山形県生まれ。早稲田大学卒業。IB JAPANESE オンラインスクール代表。現在インターナショナルスクールで国際バカロレアの文学教師を勤める。また、オンラインで海外子女への指導も行っている。著書に『文学のトリセツー「桃太郎」で文学がわかる! 』(五月書房新社、2020年)、『「感想文」から「文学批評」へ:高校・大学から始める批評入門』(小鳥遊書房、2021年)、『生き抜くためのメディア読解』(笠間書院、2021年)、『やさしい文学レッスン 「読み」を深める20の手法』(雷鳥社、2021年)など。 ホームページ:https://www.ibjapanese.com/

小林真大
装画
西村隆史
価格
¥1980(本体¥1800+税)
仕様
四六判/並製/288p/本文1C
ISBN
978-4-8441-3789-4
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やさしい文学レッスン 「読み」を深める20の手法

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古典の効能

遠き世の、しなやかな人々。

遥か昔の人たちも、恋や人間関係に悩んでいました。
いったいどのように心を整え、乗り越えていたのでしょう。
古典への難しそうな印象が変わる、柔軟で強い生き方を
『万葉集』『枕草子』『古事記』から紹介します。

本を読むことによる問題の解決や癒しを目的とした、
「読書療法」を提唱する著者の古典エッセイです。


〈好転〉〈戦略〉〈洒脱〉〈遭遇〉〈喪失〉
5つのテーマにもとづいて、
20のエピソードを集めました。

各エピソードの終わりでは「今の生活に役立つヒント」として、
心理カウンセラーの立場から登場人物の考え方や行動を解説します。


目次

好転
清少納言の視点 ―喜びを数え上げる
赤猪子の決意 ―誰も責めないまっすぐな心
清少納言の不安 ―捉え方を変えてみる
伊邪那岐の直視 ―愛する人が変わり果ててしまったら

戦略
定子の真意 ―清少納言の実力を引き出した問いかけ
清少納言の機転 ―望まない戦いを挑まれたら
額田王の本心 ―余計な詮索を防ぐには
大伴家持の直球 ―天才歌人が恋人に贈った素直な言葉

洒脱
石川郎女の受容 ―不満や悩みを打ち明けられたら
大神朝臣奥守の友情 ―怒りをぶつけずにすむ方法
笠郎女の内省 ―ユーモアを交えて自分を眺める
定子の細心 ―人の上に立つ者の気づかい

遭遇
但馬皇女の不測 ―思いがけない行動をとってしまったら
石之日売の投影 ―隠れた願望に気づく方法
鏡王女の隠水 ―心を水にたとえる
定子の配慮 ―望まない出来事が起きたとき

喪失
大伯皇女の傷心 ―自然の中に大切な人の姿を重ねる
防人の妻の郷愁 ―居場所がなくなってしまったら
ある妻の花橘 ―死との向き合い方
清少納言の没頭 ―ものを書くことによる癒し

コラム
古事記 万葉集 枕草子 定子の生涯

寺田真理子
監修
林望
価格
¥1870(本体¥1700+税)
仕様
四六判変型(H188×W120)/仮フランス装/2C/192ページ
ISBN
978-4-8441-3782-5
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翻訳家になるための7つのステップ 知っておきたい「翻訳以外」のこと

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やさしい文学レッスン 「読み」を深める20の手法

誰もが知っている文学作品をさまざまな角度から解釈し、作品をより深く楽しむための新たな読解方法を身につける。

インターナショナルスクールで国際バカロレアの文学教師を勤める著者が、文学作品をより深く味わうための「読み」の手法を20に分けて解説。ロラン・バルト、デイヴィッド・ロッジ、ノースロップ・フライなど、著名な批評家や小説家の言説を用いながら、日本の近代〜現代文学、海外文学作品を本格的に分析。あらゆる「読みの可能性」を実践し、文学作品の奥深さに触れる。

著者プロフィール
小林真大(こばやし・まさひろ)
山形県生まれ。早稲田大学国際教養学部卒業。IB JAPANESE オンラインスクール代表。現在インターナショナルスクールで国際バカロレアの文学教師を勤める。また、オンラインで海外子女への指導も行っている。著書に『文学のトリセツー「桃太郎」で文学がわかる!』(五月書房新社、2020年)、『「感想文」から「文学批評」へ:高校・大学から始める批評入門』(小鳥遊書房、2021年)、『生き抜くためのメディア読解』(笠間書院、2021年)など。ホームページ:https://www.ibjapanese.com/

小林真大
装画
西村隆史
価格
¥2090(本体¥1900+税)
仕様
四六判/並製/320p/本文1C
ISBN
978-4-8441-3779-5
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「物語」のつくり方入門 7つのレッスン

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季節を脱いで ふたりは潜る

幾重にも着込んできた 季節をすべて脱ぎ捨てて、
今では遠く無くしたものに、水の中で手を伸ばす——。
(読者特典:電話朗読室付)


『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』以来、3年ぶりとなる菅原敏の新詩集は、
移ろいゆく暮らしを、やさしく抱き寄せ、綴った季節の詩。

燃やすとレモンの香る詩集や、毎夜一編の詩を街に注ぐラジオ番組など数々の試みをおこなってきた菅原敏が、今作では、遠い日々の断片を拾い集めてぺージに挟みこむように、季節の情緒を12ヶ月の詩に写しました。

カバーを“脱ぐ”とあらわれる肌のような表紙や、
帯につくられた“小さな海” など、こだわり抜いた造本。

さらに朗読などの公演が叶わない今、一篇の詩を電話でお届けする
読者特典〔電話朗読室〕の電話番号を本書の中に隠しました。

雑誌『BRUTUS』での連載を中心に、
近年の代表作含む、12ヶ月×4編〔全48編〕を収録。

>4月

アスファルト上の片手袋を拾い上げると爆発する冬が終わって、動物たちが巣穴で目覚めるころ。やさしい光のなかでも私たちは少しだけ狂ってる必要があった。ほぼ毎日彼女は家にいるので、通帳なのか未来の姿なのか、私は何かを見ないようにと驚くほどに毎日眠る。オムレツリンゴヨーグルト、朝飯を食べ終わると午後三時。彼女の肌も荒れてきた。幸せな暮らしと正しい暮らし。睡眠薬とビタミン剤。それぞれの違いを交換したら洗濯機、私は彼女の下着を洗う。(暮らし)

>7月

肌と肌の輪郭が
あいまいに消えされば
国境を越えて
なめらかな山の稜線
カーテンの隙間から
初夏の日差しが
背中を打ち抜いて
ちいさな午後の死
ラジオのニュース
遭難者2名
同じコップで水を飲み
眠りに落ちる前に聞いた
ひとつのからだで
いきるための理由
(冷たい水)

菅原敏
価格
¥2200(本体¥2000+税)
仕様
A5判変形、上製、1C、p144、別丁・袋とじ付
ISBN
978-4-8441-3777-1

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翻訳目錄

言葉の意味はたえず変わっていく。
書き留められるのは、その一瞬にもっていた意味だけだ。
―――言葉はいつまで、もぞもぞ動く?


2020年に日本翻訳大賞を受賞した、
精神科医が“私的なノート"に書き溜める、
国や地域、時代をまたぐ味わい深いことばたちを、
ひろく紹介する、ちいさな目録。

“名無しの翻訳"、“時代とともに消えた言葉"、“意味の移り変わり"など
私たちの、“くちのききかた"からこぼれた60個の欠片を、
版画家・タダジュンの挿絵とともにしずかに眺める。

【目次】
・ことばでないもの
・ことばをさかのぼる
・ことばのうつりかわり
・ことばがうまれるとき
・ことばがきえていくとき
・ことばをかきとめる
※各章末には、著者の小エッセイを収録。

阿部大樹
タダジュン
価格
¥2200(本体¥2000+税)
仕様
B6判変形/仮フランス装/2色/160p
ISBN
978-4-8441-3773-3

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